トムお兄さんのブログ

司法試験合格への足跡

2017年06月20日の記事

今日のお勉強

憲法の短答は判例読まないと点上がらないなこりゃ。

今回の会社法の問題、何か作り間違ってるような? (1)でダメなら(2)も当然ダメになるような気がするんだけども。

<中央大学真法会の予備試験短答(憲法)>
問69〜86:計18問
不正解:74、80、81、84、85、86

<法学教室2016年4月の商法の問題>
 甲社:東京で家具を販売する公開会社、発行済株式2万株、代表取締役A
 株主:A(15000株)、乙社(600株)、残り4400株は従業員や他取引先
 乙社:通信販売で組み立て家具を販売する埼玉の会社
    数年前から甲社にも家具の部品を販売している
乙は、会社の業績は悪くないはずなのに倒産の噂があり、支払いが度々滞っていたため、Aが甲社の会社財産を私的に流用していると疑いを持った。乙は、Aによる会社財産の私的流用があればそれを是正しようと、会計帳簿の調査を思い立った。そこで以下の問いに答えよ。
(1)乙は甲の会計帳簿を閲覧することができるか?
(2)乙が甲に会計帳簿の閲覧請求を行った後、Aは、有効に所有していたストック・オプションを行使して、甲社株1500株を得た。この場合、乙は甲の会計帳簿を閲覧することができるか?

(1)について
乙は、甲社株式を600株保有しており、百分の三以上の株式を有する株主である。そこで、乙は、甲社が業績不振ではないこと、及び、甲社の乙社に対する支払いが度々滞ることを理由に、Aによる会社財産の私的流用の疑いを持っており、これを調査するため、と理由を提示して、会計帳簿の閲覧請求をすることができる(会社法433条1項1号)。
これに対し甲としてはまず、乙は甲の取引先であり債権者であることから、本件会計帳簿閲覧請求が、債権者として債権回収のため会計帳簿を調査をしようとしており、株主としての権利行使が目的でなく閲覧請求拒絶事由(会社法433条2項1号)に当たると主張することが考えられる。確かに乙社は甲社の債権者であるが、仮に債権回収が可能かどうかについて調査する目的がないわけではないとしても、それによってAによる会社財産私的流用に関する調査目的が即座に否定されるわけではない。また、いくつかの目的が併存している場合、主たる目的が株主の権利行使かどうかで判断するべき。本件においては、Aは会社経営を健全なものへ是正しようというのが主たる目的。したがって、甲のこの主張は認められない。
次に甲としては、乙が甲と実質的な競業となる事業を営んでいるため、閲覧請求拒絶事由(会社法433条2項3号)に当たると主張することが考えられる。甲は東京で家具販売事業を営んでおり、乙は通信販売で全国に家具販売事業を営んでいることからして、実質的には競業関係にある。そこで甲としては、同号の閲覧請求拒絶事由に該当することを認めたうえで、会社法が閲覧請求の拒絶を認めたのは、株主が、閲覧した会計帳簿を使って自己の利益を図ることを防止する目的であって、そのような主観的意図がない場合には、仮に閲覧請求拒絶事由に該当するとしても拒絶することはできないと主張することが考えられる。この点、会社法433条2項は、1・2号が目的について審査する規定振りになっているが、3号には目的が明記されていない。これは、請求者の主観的意図を会社が立証するのは困難であり、請求時に主観的意図が認められなくとも、事後的に事業に利用されることまでは防止できないことから、その主観的意図を要件としていない。そのため、実質的に競業となる事業を営んでいるか否かの判断にあたっては、客観的に競業関係が認められれば十分であり、主観的意図は問題にならないとするのが判例。したがって、甲は乙の会計帳簿閲覧請求を拒絶できる。

(2)について
本件においては、乙の会計帳簿閲覧請求後、本件新株予約権の発行により、乙の持ち株比率が、閲覧請求権行使のために必要な百分の三を下回っている。そのため、会計帳簿閲覧請求時には持ち株比率要件を満たしていたが、その後閲覧前に持ち株比率要件を充足しなくなってしまった場合に、閲覧請求が認められるのか検討する必要あり。
そもそも会社法433条1項が、会計帳簿閲覧請求につき持ち株比率を要件としたのは、会計帳簿の閲覧が会社に損害を与えうるため、閲覧請求できる者の範囲を限定する趣旨。すなわち会社法は、閲覧請求を認めることによる会社への損害のおそれよりも、百分の三以上の株式を有する株主の、株主としての権利を重視して保護しようとしている。仮に、持ち株比率が実際の閲覧の際に満たしていない場合には、会社に損失のおそれを生じさせてまで保護すべき株主としての権利が認められないことになる。そのため、持ち株比率要件は、会計帳簿閲覧請求時のみならず、実際に閲覧する際にも原則として要求される。一方で、特定の株主の権利行使を妨害するために株式を発行したり、新株予約権を行使したことで持ち株比率用気を充足しなくなった場合には、会計帳簿閲覧請求権が健全な会社経営に対する監督是正権であることからすれば、保護すべき株主としての権利はいまだ認められると考えられる。したがって、そのような場合でも閲覧請求を認めるべき。
ただし本件において甲と乙は、実質的に競業関係にあるので、いずれにしろ会社法433条2項3号における閲覧請求拒絶事由に該当するため、甲は乙の会計帳簿閲覧請求を拒絶できる。

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