タルティーン司令部戦略課室長日誌

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漫画の記事

四半世紀前に予言された“寝落ち”

お題ブログ:ゲームしたまま寝てしまうことってある?

 

お題ブログ:ゲームしたまま寝てしまうことってある?

 

「…って、あれ?
 ゲームじゃなくて漫画カテゴリのブログなの?

 

ええ。
というのも、このお題で、とあるマンガのシーンを思い出したからなのです。

 

 

 

 

物語の中に入り込んでしまう体質をもつ「インサイダー」と呼ばれる人種が主人公のマンガで、『インサイダーケン』といいます。
ここで取り上げられているのは『ダンジョンマスター』リアルタイムRPGの草分け的存在とも言え、後にコンシューマにも移植された実在のゲームです。

 

ある時を境にパソコン同好会の部員A子が学校に来なくなってしまう。
何かを感じたA子に想いを寄せるアキバA子の家に様子を見に行くが、これまたアキバも失踪してしまう。
不審に思った主人公ケンA子の部屋で見たもの。それはリアルタイムRPG『ダンジョンマスター』にインサイドし、抜け出せなくなっていた2人の姿だった…というのが紹介したページです。

 

ちなみにゲームの中では、アキバとA子の間で次のようなやりとりが交わされているわけですね。

 

 

このマンガが連載されていたのは1990年。今から20年以上も昔のこと。
まだインターネットなどというものは庶民に普及する遥か昔。当然、今のようなかたちのMMOなども存在しない時代です。

 

他の回には、こんなシーンもあります。
インサイダーを研究する資産家の御曹司コンドルは、ケンの高いインサイド能力を評価します。

しかし、ケンは…、

 

 

…「ゲームの中でかわいい女の子がでてきたとする。おれがその娘を好きになったとして──、どうしろってんだ。その気になっても結婚できないし……、家族にどう紹介しろってんだ?

 

20年後のコンピュータゲーム事情を予見していたかのような発言がばんばん出てきます。
改めて読み返してみると、復刻、或いは再連載されるべきマンガのような気がしてきます。

 

ワンダービット インサイダーケン編

 

 

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コミック版『のぼうの城』

 

コンビニ販売のいわゆる廉価版コミックを物色することが好きなのですが、そんな中から『のぼうの城』を見付けてきました。

 

 

作画は花咲アキラ氏。『美味しんぼ』で知られる漫画家です。

 

 

映画のほうは公開直後に観てきており、そちらは以前にブログでも書いています。

 

【過去ブログ】

のぼうの城
http://blog.hangame.co.jp/agc_tailltea/article/39776869/

 

映画の感想として、私はけっこう高得点を出したいところでしたが、こちらのコミック版はどうにも不完全燃焼です。
はっきり言えば「おもしろくない」。

 

話が違うの?

 

いいえ、物語はもちろん同じです。
それどころか、内容はほとんど同じと言っても差支えありません。

 

何がよくないのか。
まずはキャラクターの描き分けが今一つで、わかりづらいという点が挙げられます。

 

 

作画の花咲アキラ氏の画風によるものなので、それ自体を悪いとまでは言いませんが、もう少し描き分けて欲しかった。
長束正家に到っては髭があったり無かったり。ひょっとしたらこれは考証に基づくものなのかもしれませんが、漫画であるならばわかりやすさのほうを優先して欲しかった気がします。

 

こういった、見分けにくいキャラクターが織り成す物語ですから、展開が掴みづらいという致命的な問題を抱えてしまっています。

 

加えてテンポもいまいち。

 

ダラダラしていると?

 

いえ、むしろ話がトントン拍子なのです。

 

領民が城に土足では逃げ込めないと躊躇し、“のぼう”こと成田長親甲斐姫を泥んこにすることで招き入れる場面。
映画では長親甲斐姫がお互いに泥を塗りあうという、予告編にもあったちょっとした盛り上がりの場面でもあるのですが、本作では…、

 

 

 

ちょっとさくさく過ぎます。

 

これだけに留まらず、映画での見せ場、ヤマ場があっさりし過ぎているのがとにかく目立ち、盛り上がりに欠けているのです。

 

戦にしてしもうた…! みんな…! ごめーーんっっ!!」のシーンも…、

 

 

 

…しんみりし過ぎていて、面白みに欠けます。

 

最大のヤマ場である長親田楽踊りに到っては…、

 

 

 

…お囃子こそ映画に比べて大勢で描かれているのですが、勢いに欠けていて素っ気ないですよね。

 

迫力のある絵を描かない作風なのかも

 

それはどうでしょう。
水攻めのシーンなんて、結構よく描かれているんですよ。

 

 

 

映画と違って実写ではないので、派手にできるのが絵の強み。そういうところでは存分に描いているので、もっとテンポよく抑揚を付けた展開に演出することはできたのではないかとも思えるのです。

 

 

一方で、このコミック版ならでは良さも幾つかありました。
そのひとつが次の場面。

 

 

酒巻靭負のケレン味ある火矢のシーンこそコミック版には無いものの、コミック版ラストに掛かる伏線となるキーワードを言うキャラクターになっています。
有能なるも敵には無能を示せ=@「孫子 計篇」の一節なり。

 

ラストで石田三成は、田楽踊りは策であったかと問いますが、長親はかわしてしまう。
三成が「やはりわしに腹を見せるような男ではないな…」と呟くは、この複線があってこそ生きてくるものでしょう。

 

 

『のぼうの城』の面白さ、映画のテンポや勢いのある展開を期待して読むのは正直おすすめできませんが、同じ原作を、ほぼ同じようになぞりながら、ちょっとした演出の違いだけでこうも雰囲気が変わるものなのだという部分を楽しみたいのであれば、一読してみるのもまたアリではないかと思います。

 

 

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