タルティーン司令部戦略課室長日誌

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2014年04月10日の記事

平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦

日、『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』を観てきました。

 

平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
http://www.superhero-movie.com/

 

予想外に面白かった。

 

本作はそのタイトルが示す通り、昭和ライダー平成ライダーとの戦いを描いた作品です。
『仮面ライダー』石ノ森章太郎がデザインした異形のヒーローで、1971年にテレビシリーズ第作目が登場したのをはじまりに多くの派生作品を生み出しており、一般に1988年の『仮面ライダーBLACK RX』までが昭和ライダー、設定やデザインを一新した2000年の『仮面ライダークウガ』以降が平成ライダーと呼ばれています。
ものすごーく大雑把に言ってしまうと、「仮面ライダー」と言って現代っ子世代のイメージするもの平成ライダーオジサンのイメージするもの昭和ライダーということです。

 

そして、これまた大雑把に乱暴に言ってしまうと、「昭和」世代のファンにとって平成ライダー受け入れがたい、認められない、というような雰囲気もあったりします。カタルシスに乏しくなったと考える人もいるかもしれません。
真に原理主義的なファンには、1973年の『仮面ライダーVまでしか認めないという人もいるほどです。この理由は、恐らくはそのデザインにあると思われます。

 

逆に「平成」世代にとって昭和ライダーダサく見えるかもしれません。映像技術的な部分で古く感じられるのは仕方がないにしても、デザインがいかにも着ぐるみっぽいというのは現代にリメイクされようと変わるものではないため、避けられません。
また、これも映像技術と関わる部分でもあるのですが、変身シーンやギミック等も今の時代から見ると貧弱であり、そうした印象が現代に受け入れづらいというのは理解できなくもありません。

 

設定自体が大幅に変更され、世界観も刷新されたことから、単にデザイン上の親和性にとどまらず、物語上に於ける繋がりも「昭和」と「平成」の間には大きな乖離があります。
この結果、テレビスペシャルや劇場版映画で「昭和」同士、もしくは「平成」同士が共闘するような作品は作られましたが、両者がともにあるという作品はゲーム等を除いてこれまで作られることはありませんでした。

 

しかしその一方で、古参のファンの中には「昭和」が今の世に蘇ってほしいと考える者や、「平成」と戦ったらどうなるだろうと考える者もあったと思います。
また、「平成」ファンの中にも、『仮面ライダー』シリーズの原点である「昭和」にある種の感情を抱く者があったかもしれません。
そういう意味では、本作は待望の映画作品であったとも言えます。

 

 

本作に於ける戦いの構図は意外と複雑です。
まず、いわゆる正義のヒーローとしてのポジション平成ライダーがあります。
そして、悪のポジションとしてバダン帝国があります。
これに対して昭和ライダーのポジションを説明するならば「もうひとつの正義」となるでしょうか。

 

「意味がわからないよ

 

世界設定として、本作にはいわゆる地球空洞説のようなものが用いられています。
厳密には地球の内側が物理的に空洞になっているというよりも、黄泉の世界が地球の表面を反転させた次元に広がっているというもののようなのですが、バダン帝国はその結果、本当の地上を求めるべく、その表裏を反転させ、人類を滅亡させることを企みます。

 

平成ライダーは、このバダンの目論見を阻止すべく動き、バダンに狙われている少年シュウの保護に動きます。

 

多少ネタバレになりますが、昭和ライダーバダンの計画を平成ライダーよりも先に把握しており、バダンが動き出した引き金となる原因の一端が平成ライダーにあることを突き止めています。
シュウの正体も知っているために彼を奪還するとともに平成ライダーを始末するという動きをします。
設定としては少々強引なきらいも感じられはしますが、平成ライダーの抱える問題を掲げているあたりに「平成」にはない「昭和」らしいカタルシスを感じることもできるかもしれません

 

ともあれ本作には、かような三つ巴的な要素が存在します。

 

「それだと、
 物語として複雑過ぎないかな

 

複雑ですね。
この構図は小さい子には難し過ぎかもしれません。映画も、物語よりもバトル中心に重きを置いているため、大人でもわかりづらいと思います。

 

ですが、この手の特撮ヒーローものは、むしろ「観て楽しむ」という類のものですので、そこは素直にバトルを楽しむ作りであるのは正解な気がします。
いちいち細かいことには気にしないで、昭和と平成が戦い合う姿に胸をアツくするのが本作の観方だと思います。

 

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

序盤の演出はほとんど「平成」的な展開です。
昭和」目的で観に来る人はダレてしまうかもしれません

 

一方で、戦いの行方は中盤までは、ほぼ「昭和」優勢の流れです。
平成」世代には「何だこれ」と感じてしまうかもしれません

 

でも、本作の面白さは後になるほど羽目を外してテンションアップしていくところです。この料理の仕方に、「昭和」と「平成」をうまく使っている感じがしました。
平成」の醍醐味は何と言ってもそのギミックでしょう。変身アイテム等は「昭和」からの伝統ではありますが、特撮技術が飛躍的に向上した「平成」では、ロックシードを用いることで中空に変身コスチュームが出現し、これが変形しながら装着される演出が行われます。
この見た目の派手さをさらに発展させ、敵のライダーとして仮面ライダーフィフティーン(以下、フィフティーン)という、平成ライダー15人に変身可能なキャラクターが登場します。
フィフティーンロックシードを用いることで、ほかの平成ライダーへとアームズチェンジを繰り返し、変身シーンの派手さは一層エスカレートします

 

ところで、このロックシードというギミックを「昭和」に転用したらどうなるか。
ここで私が「こんなネタまで出て来たか」と驚いたものが仮面ライダーへのアームズチェンジ中に頭突きをしたシーンでした。
このネタがわかる人は確実にファミコン世代です。かつてデフォルメされたショッカーの町や国で戦いながら進んでいく『仮面ライダー倶楽部』というゲームがあり、これは体当たりでポコポコ突きながら戦うというものでした。

 

仮面ライダー倶楽部

 

 

平成」も黙ってはいません。タイトルに「スーパー戦隊」とある伏線が終盤になって顔を表します。
敵の総大将であるバダン総統が巨大な骸骨恐竜に変身。ここに現れるのは…、もちろん獣電戦隊キョウリュウジャーガブティラ
レッド変身ダンスもあるので、キョウリュウジャー好きのライダーファンはこれだけでヒートアップしてしまうでしょうね。

 

さらに号”つながりで出てくるのは烈車戦隊トッキュウジャートッキュウ

 

ちょっと待て。
もしかして今期のスーパー戦隊の企画って、
本作と含めて計算されていたんじゃないだろうな…?

 

知らない人のために少しだけ紹介しておくと、『烈車戦隊トッキュウジャー』は今期のスーパー戦隊シリーズ作で、その名の示す通り鉄道がモティーフになっています。
変身するときは地上に白線が現れて駅のアナウンスが鳴り、自動改札を通ってメカに搭乗。その内部では鉄道LED電光板がメッセージを表示する。

 

正直、『烈車戦隊トッキュウジャー』のバカバカしさはどうかと思っているのです。
こういうネタをタツノコのアニメでやるならばともかく、実写ヒーローものでやるもんじゃないだろう
そう思っていました。

 

でも、本作を観て思いましたよ。
もう好きにやってくれ。(笑)

 

ええ、映画でも好き放題にやってくれました。
ガブティラキョウリュウジャーレッシャーに変形し、さらにデンライナーと合体。ここまでブッ飛んだネタを展開されたら爆笑せざるを得ません。私の負けです。(^^;;

 

ところでメカの足部に割り当てられて文句を言うシーンがありましたが、「昭和」世代的には『大戦隊ゴーグルファイブ』とか、割とふつーに見られたものです。
そんな訳で、こんなことに不平を言う「平成」が「昭和」から説教されるのは、さもありなん…かなぁ、等とも思ってしまいました。

 

「それで、
 「昭和」と「平成」のどちらが勝ったの?

 

じつはこれ、投票で決定するという、変わった方法で結末が作られました。
公開初日にラストが決定されるというシステム上、映画は本が撮られ、そのうちの本が正式に上映されるというものでした。
昭和」が1386281、「平成」が1387041なんと760票という僅差で「平成」の勝利ルートが確定しました

 

ですが、先述のようにバトル的には「昭和」の優勢であり、ガチンコで戦ったら「昭和」という印象を出していますから、必ずしも「昭和」ファンが難色を示すようなものではないのではと思っています。

 

 

本郷猛神敬介ZX村雨良が当時のキャストのままで登場し、「平成」とともに変身シーンを披露するなど、まさに夢の競演と言えますし、細かいことに頓着しなければ楽しめる映画だと思います。

 

 

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