タルティーン司令部戦略課室長日誌

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2014年02月11日の記事

魁!! クロマティ高校 THE★MOVIE

日、某所で映画『魁!! クロマティ高校 THE★MOVIE』を観ました。

 

『魁!! クロマティ高校 THE★MOVIE』(日本、2005年、山口雄大監督)
http://www.starchild.co.jp/kurokou/

 

原作は野中英次氏によるギャグマンガで、テレビアニメ化もされたことがありました。

 

テレビアニメ版はほぼ原作通りでしたが、劇場映画版の実写であり、後半はほぼオリジナル。原作をある程度無視した展開を持っています。

 

ですが、原作よりも原作者のテイストを放っていると思えてしまうテンションがあります。
ここまで原作破壊をしながら、原作を越えるものが作れるというのは凄いです。演技はベタだし台詞は棒読み、セットもチープなのに、これはすごい。

 

一般にギャグマンガは実写にしても面白くないことが多いです。白けてしまうんですね。その理由としては恐らく、実写ではマンガ的な表現がしづらいこと、そして同時にマンガ的な“文法”が実写に馴染まないことがあると思われます。
本作ではそれを敢えて開き直り、一旦マンガ的にベタに演じ、そのままでは白けて終わってしまうところで更にネタを被せるというかたちで押し切り、観ている者に「原作を越えた」と感じさせることで驚きと笑いを作っています。

 

 

以下、ネタバレになります。

 

 

監督や脚本家といった制作サイドが好き放題やりたい放題に作っている印象を受けます。
映画前半は原作をベースとしながらも、前述のような手法でネタを被せることで話をより大きくしているのですが、北斗が登場する辺りから別の展開となっていきます。

 

北斗とその子分クロマティ高校を乗っ取る為に転入。しかしクロ高は公立であったために北斗の父親の権力は使えない。
紆余曲折の末、自分の父親は日本政府を裏で牛耳る悪の黒幕“蔭の総理大臣”であり倒せねばならない…などという口から出まかせを言った挙句、成行きで部隊を結成。
と、ここまでは原作と同じなのですが、この部隊の名前が「地球防衛軍」。そして、どういうわけかこの防衛軍阿藤快(本人!)が入隊。
何でやねん、というか阿藤さん仕事を選んでくださいな。(^^;;;;;

 

その後、神山「地球防衛軍のすることは唯一つ、宇宙からの侵略者と戦うこと」と言い出し、UFOを召喚します…って、これ何てマッチポンプ?
やってきたのは『宇宙猿人ゴリ』ゴリラー。これまた本物のOPが挿入され、さらにゴリの初代声優小林清志氏がここでも声を担当。
版権はもちろん、声優まで揃えての引用とは、もう驚くというか飽きれるというか。

 

 

ここまで好き勝手に原作破壊をしているにも関わらず、矛盾していますが原作再現率が高く、面白い。
しかし、この映画のさらにすごいところは、伏線もしっかり張られており、全体の構成が計算し尽くされている点でしょう。
原作にもあったハイジャックによる竹ノ内の遭難や、マスクドのマスクネタは、観ている者がそんなことをすっかり忘れたラストで見事に活かされます。
はっきり言って観る人を選ぶ映画ではありますが、バカ映画の見事な手本と呼ぶべき傑作だと思います。

 

 

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