タルティーン司令部戦略課室長日誌

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2013年09月02日の記事

ガッチャマン


『ガッチャマン』を観てきました。


ガッチャマン
http://www.gatchaman-movie.jp/‎

駄作と評判の本作ですが、個人的にはそこまで酷評するほどのものには感じられませんでした。

「意外と良かったの?

 

うーん…、取り立てて良いと言えるほどでもないのですが、世間一般で言われているほどダメダメでもないのでは?…という程度です。別におすすめする気はありません。


原作にはファンも多いですから今更「説明しよう!」などというまでもないでしょうが、戦隊モノのテレビアニメーション作品として、いわば草分け的な存在にもなっている『科学忍者隊ガッチャマン』をベースとしています。初代『科学忍者隊ガッチャマン』1972年の番組ですので、さすがに私も本放送は観ていませんが、何度となく再放送を繰り返された人気アニメでしたので知ってはいます。

後に続編やリメイクが作られ、現在も(初代の設定とは大きく異なるとはいえ)『ガッチャマン クラウズ』が放映されていますので、今の若い世代にも「ガッチャマン」の名は通っているのではないでしょうか。


さて、前述のように映画『ガッチャマン』『科学忍者隊ガッチャマン』を原作に持つ実写化作品です。
初代『科学忍者隊』をベースにはしていますが、その設定や内容は大幅に変更されています。しかし『クラウズ』とは異なり、モティーフは初代『科学忍者隊』をそれなりに引用してもいます。
主人公たちや敵、あるいは登場するマシン等の名前は基本的に初代『科学忍者隊』準拠です。逆にいうと、それ以外は概ね本作オリジナルということになるかもしれません。

本作が酷評されている理由のひとつに原作との乖離がありますが、それ以外にも構成や演出などに難色を示している方も多いです。
確かに本作にはハラハラドキドキさせられる場面はありません。演出的に甘く、本来であれば緊迫感を出したいであろう場面に、そうした印象を表せていないのです。

また、設定的にも無理があります。
その最たるものが、冒頭で敵方であるギャラクターが世界の半分を支配し、苦しみと悲しみに包まれた…とされながら、まるで無事な日本東京が出てくる展開です。主人公の人でもあるジュンが楽しそうにショッピングまでしている始末。平和そのものですね。
私は筒井康隆『日本以外全部沈没』を思い出してしまいました。


『日本以外全部沈没』(日本、2006年、河崎実監督)

まぁ、多少は好意的に解釈することもできなくはありません。
飽く迄もギャラクターに支配されたのは世界の半分であり、極東の小国である日本は無事であったということもあるでしょう。
また、そんな現実の日本にすむ方にはあまり知られていませんが紛争地であっても日常は存在しており、戦火の激しい国や地域にも比較的平穏な場所は存在します。
とはいうものの、映画作品的には説得性に欠ける展開であるのは否定できません。作品が自ら、リアリティを失わせていることに違いはありません。

実際、本作はリアリティがほとんど感じられません。
キャタローラーと呼ばれる、巨大な車輪型の兵器が首都を走り、ビル街を破壊するシーンが序盤にあります。言うまでもなくこれはCGの合成によって描かれているのですが、ビルの瓦礫の一部は地面に落下するとそのまま消えてしまうものもあります。CGであるとバレバレですね。あまりにも残念な描き方です。
また、カメラが動いても、ビルの窓に映り込んだ風景が固定したままである場面もありました。写真を用いているのか、単純なテクスチャを張っているだけなのか、そこまでは判断が付きませんでしたが、こういうところで粗が見えてしまうのも残念です。

あれ?
この感覚、どこかで感じたような…。
そう、『ファイナル・ジャッジメント』を観た時のあの印象です。


『ファイナル・ジャッジメント』(日本、2012年、浜本正機監督)

『ファイナル・ジャッジメント』をブラッシュアップし、映像クォリティをある程度改善した程度。それが『ガッチャマン』でした。
そう捉えたとき、自分は『ガッチャマン』は酷評するほどではないいのではないかと感じたのです。『ガッチャマン』『ファイナル・ジャッジメント』とは異なり、飽く迄も娯楽映画です。多少リアリティに乏しかろうと、それはそれだろうというのが私の考えであり、最近も『ホワイトハウス・ダウン』の感想で、そのようなことを書きました。


『ホワイトハウス・ダウン』(アメリカ、2013年、ローランド・エメリッヒ監督)
http://blog.hangame.co.jp/agc_tailltea/article/41186819/

戦隊が敵と戦う。特撮ヒーローが好きならば、それはこのようなものでも楽しめる人はいるのではないか。ならば、そこまで酷評することも無いのではないか。そう感じたのでした。

ただし、おすすめはしません。単に「私にとっては大してつまらなくもなかった」というだけです。
私は点評価では、まずを付けることはありません。「まぁ、これもアリなんじゃない?」と思えばを付ける。そういう人です。

CG合成の粗については既に書きましたが、その一方で敵の巨大アジトでもあるタートルキングは相当に気合が入っています。
むしろ、ここにモデリングとレンダリングを集中させたので他の場面が粗くなったと思わせるほどです。
もっとも、本作のタートルキングを見て最初に抱いたイメージは『第地区』の宇宙船。


『第9地区』(南アフリカ、2009年、ニール・ブロムカンプ監督)

ということは、逆に言ってしまえば、それだけ『ガッチャマン』が発想に乏しく、技術的にもいっぱいいっぱいだったということになってしまうのかもしれませんね…。


ラストは続編を覗わせるものとなっていましたが…、果たして作られるのかどうか。
個人的には本作はこれで終わらせておいたほうが良いようにも思いましたが、映画のパンフレットには敢えて伏線を削ったことを覗わせるようなことも書かれているので、制作者サイドとしては作るつもりでいるようにも感じられます。


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