黒森技研棋話。

シックでメロウな日々の中で囲碁を打ったり打たなかったり。

2018年05月の記事

マナー談義。

東京都大田区にある「カフェと囲碁 ひだまり」という碁会所で海外からの来店客が多いので碁のルールだけではなく作法やマナーも学んで欲しいという意図でこんなポスターを作成したんだとか。



で、海外向けにSNSでこのポスターを発信したらそこそこ議論を起こしたようなんですが・・・

まず「待ったはやめろ」が何故に「time out」になるんだよという話、案の定海外の人から「Mattaって何だ?」と疑問を呈されて「これ誤訳だよね」ということで落ち着きます。

で、2の「石は静かに置け」については多分Youtubeに上げられているNHK杯等のTV対局を見てのことなのでしょう、「プロ棋士でも盤に石を強く打ち下ろす人がいるけど?」と疑問に思う人が出て来ますが、「記録係のお茶を奪って飲むプロ棋士がいるからといって俺らが他人のお茶を奪って良いワケではないように、プロで石を強く打ちおろす人がいるからといって俺らがそうしても良いというワケではないんだよ。」と頓智の利いたコメントが返されたためか、この点についてはさしたる議論にならなかったようです。

というかセルフアタリの中野さんと並んでお茶強奪のチクンさんは「TeaStealer」だの「TeaBandit」だのあまり嬉しくない二つ名を頂戴して四海の隅々まで世界の囲碁ファンに広く知れ渡り永く語り継がれることになってしまったようですね。



3の肘つきについてはチェスでは普通にやっていますし、中国や韓国の囲碁棋士もテーブルに肘をつきますし、これを無作法とするのは和室で正座して対局する作法からの延長線上にある日本独特のマナーなのかなと愚考されまして、SNSでもやはり文化の違いからくるマナーに関する考え方の違いだよねと言う話になっていました。
まあ郷に入りては何とやらで、日本で打つときにそれをやるとマナーが悪いとみなされちゃうよという話ですかね。



テーブルの高さにもよりますが、具合が良い高さだと日本以外では普通に肘をつきますよね。

4の石ジャラはニギニギする人と碁笥に手を突っ込む人と二つのタイプがあるようですが、米欧でも無意識にやっちゃう人はいるようで、「手でニギニギしちゃうんだけど駄目なの?」「碁笥に手を突っ込んでジャラジャラやるのはうるせえからダメだよね」とか話が弾んでおりました。

6の口出しは西洋ではポーカーで外野から口出しをする行為をKibitzと呼んでいまして、KGSの高段者同士の対局で観戦者がチャットで好き放題吹いているのを見るに、洋の東西関係なくこの辺はやっちゃう人がいるようです。

そんな遣り取りを踏まえてポスターの修正版が作成されたとのことで、表現その他改善されまして日本式囲碁の作法として良くまとまったポスターになりましたね。



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東京本院インフレ事情。

先週・先々週と大盤解説会で市谷の日本棋院東京本院に行って来たわけですが、棋院から坂を下りて右に曲がってスグの靖国通り沿いに今話題の日本大学がありまして、義憤にかられたアメフト関係者が辻立ちで演説をしていたり、報道関係者が出待ちなのか何なのか日大の建物前で待機していたりで、なかなかに騒々しい情況が続いているようです。


マジで目と鼻の先です。

世間の話題はさておきまして、棋院二階の大ホールでは通常組み合わせ対局が行われておりまして、毎週木曜日はとくに利用客が多いらしく満席の状況でみんなが楽しそうに対局しているわけです。
同じく二階にある売店で新刊棋書などをチェックしていると対局場でみんながワイワイ対局している様子が目に入りまして、ムラムラして来まして居ても立ってもいられない、大盤解説会目当てで市谷まで来たけど当初の目的を放り出して今すぐ金払って対局したくなってしまいました。



そこは日を改めて思う存分組み合わせ対局で打ちまくってやろうということで満を持して週明けの月曜日に市谷の日本棋院東京本院まで行って来たわけです。
最後に東京本院の組み合わせ対局をやったのは2年前くらいだったか、点数制で344点三段の基準点で356四段の基準点のところを中間点の350だった筈なので、その点数から再開します。
点数的には3.5段という感じですかね。

以前使っていた対局カードは半年利用が無いと捨てられてしまうので当然残って無いよねということで新規に作り直して、1局目は柔和な雰囲気漂う老淑女とコミなしの白番で。
私のことを大層強そうだとか言ってのっけから弱気で、また負けてしまいそうだとか情けないことばかり言うので何だかなあと思っていたのですが、打ち始めてみると手が縮こまっていて弱気過ぎませんかねコレはと思っていると、弱気な癖に弱い石を補強しないので猛然と襲い掛かったら取れてしまい中押勝ちになります。

2局目はリタイア済みと思われるお父さんとコミなしの白番、双方弱い石同士が競り合いをする中でこちらの弱い石は全部シノいで相手の弱い石を追い回す展開になり召し取った上で安全策で全てのあがきを封じて中押勝ちとなります。

3局目はギリギリ現役世代かもしれないお父さんとコミなし白番、序盤早々こちらのミスで潰れるかと思ったけど生き生きかセキになるかな・・・と思っていたら向こう不利の大ナカ小ナカになって攻め合い一手勝ちになってまず一勝。
話が弾んで手合いは合わないけど気が合うよねと言うことでもう一局打ちましょうという話になり、今度は双方堅く打ってジリジリと差を広げて行き、作り碁にしたら盤面で白20目勝ちで二勝となります。

5局目はリタイア済みとおぼしきお父さん、こちらの対局カードを見て四連勝していることを確認するや「棋力の過少申告だ」と不平をブーブー言います。
やはりコミなしの白番ですが、ヒラキも何もない単独の高目に三々入りして来たので純然たるはめ手で中に封じ込めたり、星の一間バサミにワキバラヅケしたらドはまりされてしまうなどありまして一方的にボコって中押勝ちになります。
やっぱり棋力の過少申告だ」とお父さんが言い立てて来るのをのらりくらりとかわして係の人に勝敗結果を申告しに行くと「手合い違いだ」「棋力の過少申告だ」と係の人に哀訴するもんだから点数を上げましょうかという話になります。
350点スタートで5勝して現在355点、係の人としては10点上げたいようでしたが四段の基準点356点を飛び越えて五段の基準点368点のところを365点まで上げられるのはご勘弁願いたいということで5点上げて様子を見ましょうという話に強引に誘導します。

それで6局目は366点のお父さんと当方5点上げられて360点で互先の手合い割、握ってこちらの黒番です。
双方弱い石が散在する状況で強引に取りかけに来たのを切り返して攻め合い一手勝ちにしてまず大優勢、広げた模様に打ち込み二発がどれも生きてもはやどうにもならんということで中押勝ちになります。

12時過ぎに棋院に入って6局目終了した時点で17時前、投げっぷりの良い人がいたので5時間弱で6局打てました。
点数的には3.5段相当の350点からスタートして4.5段相当の361点まで伸ばしたのですが・・・二年留守にしていた間に東京本院の組み合わせ対局のランクは随分と甘くなったというかインフレが進んでしまったようでした。



私が二年の間に上達した部分が少しはあると思いたいんですが(w、残念ながら二段格や三段格の点数でそれはねーよという感じの手がいろいろありましてやはりインフレが強いようです。

と言いますのも、こんな隅の応接が見られたり



こんな感じでドはまりされて石を取れてしまうなどありまして



二年前は三段格の点数で勝ったり負けたりしながら350点まで点数を伸ばしたもんでしたが、今は明らかに点数がインフレしていて1〜1.5子分は甘くなったんではなかろうかと思料されます。

日本の囲碁の総本山にある一般対局場なだけあって利用客が多く対局相手と組み合わされるまで待たされる時間がほとんどないので今後も東京本院で腕試しを続けたいのですが、せめて月イチくらいの頻度で通うようにしておかないと、私としては単純に二年前の点数で対局カードを作ったに過ぎないのに、インフレがどんどん進んでいて対局相手から手合い違いだ棋力の過少申告だと恨み言を吐かれるという、嫌な感じで浦島太郎状態になってしまうのだなと肝に銘じておかないとイカンですね。

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俺と詰碁 その121

誠文堂新光社刊村島誼紀九段著「コウ辞典」より
四隅とも黒番ですが結末はコウだったり無条件死だったり。


http://gokifu.net/t2.php?s=2451527398303141

右上は死活妙機で類題を見て「こんなの分かんねーよ」とサジを投げた覚えがあります。

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死活妙機おそるべし。

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神保町巡回。

大盤解説会への行きがけに神田神保町に寄りまして例によって古書店を巡回しましたらば三省堂本店の一階店頭で古書市をやっていました。
月曜日からやっていて週の前半と後半では出店している古書店が入れ替わるとか。
しまった、今日は木曜じゃねえか前半出店のの古書店を逃してしまった!
それで結局店頭の特設古書市でも4階の常設の古書コーナーでもこれといったものはありませんでした。

平凡社東洋文庫の扱いが多い田村書店に寄ってみましたらば爛柯堂棋話全二巻が400円になっていたので、衝動買いしてしまいました。
折を見て図書館で借りて済まそうと思ってたんですが、二冊で400円なら買ってもいいかなと。

澤田書店も東洋文庫の扱いが多いのですがあそこの在庫は完全に滞留していて、いつ行っても同じ商品が同じ場所に並んでいて滅多なことでは入れ替わらないのですよね。
棋書は置いてないけど平凡社東洋文庫なら扱ってるよと言う古書店は多いのですが田村書店や澤田書店ほどに在庫が多くないのですよね。
そういった古書店も時間に余裕がある時は巡回するのですがやはり見つからないですねえ。
ということでお目当ての東洋文庫版囲碁發陽論のお手頃価格のものは今回も見つかりませんでした。

大雲堂書店の店頭に囲碁の本がいつも並んでいまして、こちらも最近は在庫がマンネリ化していたのですが、在庫が追加されて「呉清源の詰碁集上級編」が300円、旧版ヨセ辞典500円で売られていたので即買いです。
今度、隣の区の図書館でヨセ辞典を借りようと思っていたところだったんですよねえ。
アカシヤだと店舗で4000円、ネットでも1500円しますからp値段的には良い買い物でした。
しかしこの本、1974年初版の旧版なんですが編集のチェックがザルだったようで別添付で正誤表が付いていまして訂正が15項目もあってちょっと酷いナーと思います。



「手抜き」が「手抜さ」になってるとか「今度は」が「令度は」になってるとか海外の誤字ネタかよと。
おそらく第二版以降では直されてるんでしょうけれども。


何度見ても破壊力が高い。

内容の方はと言いますと、単にヨセの常形とその類型を紹介している数なら碁楽選書「ヨセのテクニック」上下巻の方が多いのですが、実戦でのヨセや11路盤でのヨセ問題などヨセに関わる広汎な事柄がこの一冊に集約されていまして流石「辞典」を称するだけのことはあります。
事あるごとに目を通して多少なりともヨセが上手くなりたいものです。

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扇興杯女流最強戦第一回戦大盤解説会。

同じ日に同じ日本棋院内で標題の扇興杯のと本因坊戦第二局と大盤解説会が二つがありまして、扇興杯が入場無料で本因坊戦が入場料2000円ということでしたので、ここは迷わず無料の方に行くことにしました。

会場は先週の碁聖戦挑戦者決定戦大盤解説会と同じく東京本院1階のエントランスロビーでした。



開放されたスペースでの大盤解説会だからなのでしょうけれども通りすがりに立ち見する人がいるのは別に良いのですが客席後方で立ち見しながら大声でおしゃべりする女性がいて辛抱たまらず後ろを振り返って睨んでしまいました。
無料でしかも開放スペースで解説会をやるとなるとどうしてもいろいろありますねえ。
棋院サイドでは考えがあってのことなんでしょうけど、仕切られた部屋でやった方がよくないかなあ。

解説は平田「お洒落眼鏡」智也七段で聞き手がNHK杯の司会進行でお馴染みの長嶋梢恵二段です。


今回は白いフレームの眼鏡でビシっと決めて登場ですね。

解説する対局は一回戦の藤沢里菜四段対小林泉美六段と謝依旻六段対矢代久美子六段の二局でしたが、里菜ちゃんと泉美ちゃんの対局は短手数決着で15時に大盤解説会が始まる前に里菜ちゃんの中押勝ちになりまして、まずはそちらからの解説になりました。



平田七段曰く黒33の三々入りはタイミングが早かったのではないかとのことで、その後コウに弾いてブチ抜かれますがコウダテでさほど得しなかったのでここではっきりと白の里菜ちゃんが有利になり非勢を意識して泉美ちゃんが精いっぱい頑張って打つけれども里菜ちゃんが冷静に応手して隙なく寄り切って、120手の短手数決着になりました。
里菜ちゃん強し!

16時前になると本因坊戦第二局の大盤解説会が別室で始まるということでゴッソリと来場客が抜けてしまいますが、まあ仕方ないですかね。

そしてもう一方の対局の方へ解説が移りまして、白番いーみんの白142の右辺ツケが評判の良くない手で、右上隅黒三子を取り切っていれば良かったとの話で、案の定この黒三子に動き出されて右上の白の一団が眼の無い弱い石になり下方との連絡も無理で無理気味のコウを仕掛けるもどうにもならず矢尽き刃折れて17時過ぎに投了となりました。




うーん、いーみん1回戦負けか。
そして矢代さんは出来の良い碁が打てたようですね。

平田七段は早見えで長島さんのアシストもあってどんどん並べて、その合間に適度に長島さんと漫才をして場をダレさせないトークスキルもあって良い解説でした。

次の東京本院での大盤解説会は6月3日の本因坊戦第三局になりますかね。
青葉かおり五段が解説とのことですがいつもより来場客が多くなったりするでしょうか。

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